真言宗不動明王とは? ご利益・真言・功徳について徹底解説

「真言宗のお寺に行くと、必ず見かけるあの怒りの表情をした像…あれって何??」

「不動明王ってどんなご利益があるんだろう??」

「不動明王の真言を唱えると、どんな功徳があるのかな??」

真言宗のお寺でよく見かける、怒りの表情をした忿怒尊像「不動明王」。

その迫力ある姿から、怖いイメージを持っている人も少なくありません。

しかし、不動明王は私たちを守護し、願いを叶えてくれる慈悲深い仏様なのです。

この記事では、真言宗における不動明王について、その意味や由来、ご利益、真言、功徳などをご紹介します。

真言宗不動明王とは?

不動明王は、真言宗や天台宗、禅宗、日蓮宗などで信仰されるようになりました。

不動明王はこの見た目の怖さから閻魔様や鬼のような存在と思われるかもしれませんが、実はれっきとした仏様なのです。

大日如来の別の姿とされている密教においては本尊とされる、大日如来の別の姿とされていますね。また、「不動」には「動かない大山」の意味もあるため、修験道でも山の守護神として崇拝されています。

真言宗不動明王の真言と印契

真言宗では「即身成仏」といって、この身このまま、生きたまま仏になるということを目的として修行します。そのために「三密」を整える修行をします。

「三密」とは以下

  • 身密(手に印を結ぶ)
  • 口密(口に真言を唱える)
  • 意密(心に仏を観じる)

上記の通りです。

その初め身密は身の動き。拝むときには、合掌のことです。真言密教では、合掌は秘密印契なのです。

不動明王が持っているものは、右手に掲げているのは、倶利伽羅剣(くりからけん)という倶利伽羅竜王が炎となって巻きついた剣または三鈷剣(さんこけん・片側中央の刃だけが長い三鈷杵)です。

どちらも魔を退散させ、人々の煩悩や因縁を断ち切るとされています。

さらに左手には悪を縛り上げ、煩悩から抜け出せない衆生を吊り上げて救済する羂索(けんさく・けんじゃく)という投げ縄のようなものを持っています。

羂索は、より合わせた五色の糸の片側に環、もう片側に独鈷杵(とっこしょ)の半形がついたものです。衆生救済の象徴とされているため、不動明王だけでなく、千手観音や不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)なども持っています。

真言宗不動明王の功徳と利益

不動明王は大日如来の化身と言われ、お不動さん、不動尊、大日大聖不動明王、無動明王、無動尊などと呼ばれています。不動明王は如来のように華美な衣を着けることなく漆黒の体で火焔を背負い、忿怒の形相で睨みつけ、右手には剣を持って悪を切り払い、左手には羂索 (けんざく-縄のこと)を持って悪を捕える役目をしています。

不動明王の真言は護摩を焚く時に唱えます、また山岳修行の修験道の行者さんもよく唱えます。心の中に迷いがある時や悪の心を断ち切りたい時に不動明王の姿を思い浮かべて唱えれば心が落ち着きます。

ご利益や功徳は?

不動明王のご利益は多岐にわたります。不動明王は信仰すると現世利益(げんせりやく)があるとされ、生きている間に多くのご利益を得られるといわれています。

具体的には、立身出世に悪霊退散、国家安泰、戦勝、除災招福、商売繁盛などの利益があるとされています。不動明王は煩悩を断ち切り、苦難に立ち向かう勇気を与えてくれる仏様です。

以上の情報から、真言宗の不動明王の功徳と利益について理解することができます。不動明王は悪を退け、人々を救済し、煩悩を断ち切る力を持つとされ、その真言を唱えることで心の迷いを解消し、多くの現世利益を得ることができるとされています。

真言宗不動明王を祀る寺院

不動明王を祀る寺院は全国に数多く存在しますが、特に有名なのは以下の寺院です。

成田山新勝寺(千葉県成田市)

出典:成田山

成田山新勝寺の御本尊不動明王は、真言宗の開祖、弘法大師空海が自ら一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝する)の祈りをこめて敬刻開眼された御尊像です。

高幡不動尊金剛寺(東京都日野市)

高幡不動尊金剛寺は、成田山新勝寺などとともに、関東三大不動のひとつとされる、真言宗智山派別格本山の寺院です。

不動ヶ岡不動尊總願寺(埼玉県加須市)

埼玉県加須市の真言宗智山派「不動ヶ岡不動尊總願寺」は仁和二年(866年)に光孝天皇の勅言により、智證大師が彫った不動明王を祀ったのがはじまりとされる。

高山不動尊常楽院(埼玉県飯能市)

出典:高山不動尊

ハイキングスポットとして有名な埼玉県飯能市の高山不動尊(高貴山常楽院)は、白雉5年(654年)の開山で、かつては山伏の修験道場として栄えたといわれ、成田不動、高幡不動と並ぶ関東三大不動の一つとしても知られる。

これらの寺院は、不動明王の信仰の中心地として、多くの信者や参拝者に親しまれています。各寺院では、不動明王の御加護を願い、心願成就を祈念するための様々な儀式や行事が行われています。

あとがき

この記事では、真言宗の不動明王について詳しく説明しました。不動明王は、真言宗や天台宗、禅宗、日蓮宗などで信仰されるようになり、その姿や真言、印契について詳しく解説しました。また、不動明王の功徳と利益についても触れ、その真言を唱えることで心の迷いを解消し、多くの現世利益を得ることができると説明しました。

さらに、全国に数多く存在する不動明王を祀る寺院の中から、特に有名な寺院をいくつか紹介しました。これらの寺院は、不動明王の信仰の中心地として、多くの信者や参拝者に親しまれています。

この記事を通じて、真言宗の不動明王についての理解が深まったことでしょう。不動明王は、その強大な力で悪を退け、人々を救済し、煩悩を断ち切る存在として、多くの人々から信仰を集めています。その信仰は、各寺院で行われる様々な儀式や行事を通じて、今もなお続いています。

不動明王の信仰は、その人々の心の迷いを解消し、多くの現世利益をもたらす力を持っています。それは、真言宗の教えが人々の生活に深く根ざしている証でもあります。不動明王の信仰がこれからも多くの人々にとって、心の支えとなり続けることを願っています。

一人でも多くの人が救われることを願います。

南無真如

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